KADOKAWAの悲劇⑦/夏野剛という男
ドワンゴ社長になった夏野剛は短期間に経営を軌道に乗せ、再建することに成功した。社外取締役をいくつか兼務している「評論家」と思われた彼が、意外にも実務家としての能力を発揮した。角川歴彦はそれを認めざるを得なかった。
大鹿 靖明
2026.09.16
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夏野剛が1988年、早稲田大政治経済学部経済学科を卒業したころはバブル真っ盛りだった。学生時代はリクルートでアルバイトに精を出していた。就職活動はその反動で重厚長大の著名企業を狙った。当時は完全な売り手市場で、いくつもの内々定を取るのは当たり前だった。飛行機好きの彼は当時人気企業だった日本航空の内定を取り、学生の間で金融機関が人気だったため日本長期信用銀行からも内定を得た。しかし「JALに入っても新千歳空港のカウンターでチケットの発券業務をやってもなぁ」と考え、東京から出ないで済みそうな東京ガスを就職先に選んでいる。