KADOKAWAの悲劇③/黒船襲来
角川歴彦率いる角川書店は2000年代に入って、保守的な出版界にあって最も開明的な出版社に見られていた。M&Aを駆使し、さらにデジタル革命に乗り遅れまいとする。そんな出版社は当時、他になかった。
大鹿 靖明
2026.08.14
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雑誌で成功、次いでM&A駆使し、オタクに照準
角川歴彦の最初の成功体験は雑誌だった。先代の兄の春樹が築いた映画とのメディアミックスに、独自の経営のカラーを付け加えたのが雑誌の大成功だった。1982年創刊の「週刊ザテレビジョン」は90年代後半、最高発行部数が130万部を超えた。90年創刊の「東京ウォーカー」も80万部を突破。ともに春樹時代の創刊だが、大成功の果実を享受したのは歴彦の時代だった、2000年ごろまではパソコンの能力はいまよりもずっと貧弱だったので、インターネットのコンテンツの魅力はさほどでもなく、雑誌がまだまだ読まれていた。