ソフトバンクグループのニケシュ・アローラ退任騒動の内幕/アロック・サーマ『右腕が見た孫正義』を呼んだ違和感
ソフトバンクグループを取材していて、どうも釈然としないままに終わったのが、孫正義社長が自身の後継者として連れてきたニケシュ・アローラの退任騒動である。グーグル出身の〝やり手〟という触れ込みで巨額の報酬をもって招いたものの、彼の醜聞を詳細につづった内部告発書によって失脚したあの事件である。
大鹿 靖明
2026.09.27
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インド人のアローラがソフトバンクに乗り込む際に一緒に連れてきたのが、同じインド人のアロック・サーマである。そのサーマがこのほど自身の回顧録『右腕が見た孫正義』(2026年、光文社)を出版した。
書店で手に取って驚いたのは、各章の見出しが「狂人は心に」(ピンク・フロイド)、「明日なき暴走」(ブルース・スプリングスティーン)、「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(もちろんビートルズ)などロックの名盤・名曲のタイトルだったことである。これは結構なロック好きだな、と思って読み進めていくと、「あのディランのとてつもない名曲『ブラインド・ウィリー・マクテル』が、なぜか見過ごされていたのとどこか似ている」とか、「こんな美しい日には、ツェッペリンの『カリフォルニア』か、イーグルスの『テイク・イット・イージー』でも歌いながら走ってもいいはずだった」といった文章が散りばめられている。私よりも3歳上のインド人だが、自分とおおむね同様の音楽を聴いて育っていることがわかって嬉しくなった。

原題は『Money Trap』(金の罠)なので邦題とはだいぶニュアンスが違う